概要
株式会社ハピネットでは営業部門の帳票出力ニーズに応えるためにルート42のクラウド帳票エンジンDocurainを導入。システム開発において無視できないコストのかかる帳票出力機能の実装を簡略化し、今や100種類以上の帳票出力を行っている。
Docurainの導入を主導した和智氏へ導入経緯や用途、Docurainの今後の可能性を伺った。
Docurain Cloud Report Service
株式会社ハピネット様
株式会社ハピネットでは営業部門の帳票出力ニーズに応えるためにルート42のクラウド帳票エンジンDocurainを導入。システム開発において無視できないコストのかかる帳票出力機能の実装を簡略化し、今や100種類以上の帳票出力を行っている。
Docurainの導入を主導した和智氏へ導入経緯や用途、Docurainの今後の可能性を伺った。
設立50周年を迎えた玩具中間流通業界のリーディングカンパニーである株式会社ハピネット様。バンダイナムコグループの一員として玩具流通だけでなく映像音楽、ビデオゲーム、アミューズメント商品を 取り扱うエンタテインメント総合商社である。
2015年10月より株式会社ハピネット情報システム部に勤務。これまで開発プロセスの標準化やアーキテクチャ設計、大規模システム開発のマネジメントなどに従事してきた。
和智氏はソフトウェア設計手法を解説した「エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計」など技術的名著を多数翻訳している他、カンファレンスなどでの公演を定期的に実施している。
弊社では、玩具の他に、ビデオゲームや映像・音楽、アミューズメントといった複数の事業展開を行っており、独自開発の基幹システムを運用してきました。しかし、この基幹システムは歴史が古く、メンテナンス性に課題を抱えているため、次の10年を見据えて、基幹システムの刷新プロジェクトをスタートしております。
長年使われているために現場ユーザーが現行基幹に慣れていることもあり、現行基幹の使い勝手は新基幹においてもある程度カバーされている必要があります。そういった機能の1つとして各種データのエクスポート機能が挙げられます。
エクスポート機能を実装するにあたり、どのような形式がよいかを検討しましたが、やはり、Excel帳票がベストと判断しました。
と言うのも、ここで言っている帳票は取引先などの外部への報告や提出に活用するというよりも、オペレータ個人、あるいはチームといった、社内での活用がメインだったためです。
具体的には支払い経費の一覧や、商品の在庫一覧やその割り振り一覧など、画面で見えているものを保存したい、あるいは紙出ししたい、といった要求だと考えていただけると理解しやすいかと思います。
同時に現状として、業務上、日々Excelを駆使するシーンが多く、現場のExcelの習熟度が高くなっており、Excel帳票が非常に受け入れられやすいことも理由の一つです。ただ帳票として出力して終わるのではなく、現場で容易に二次加工できるというExcel帳票の特性により、さらなる生産性向上へ繋がることも期待できます。
ではそれをどう実装するか、ですが、一覧形式のExcel帳票ということもあって、Excel操作用の有名OSSライブラリであるApache POIが有力な候補となっていました。
実際にApache POIを生で用いてExcel帳票出力機能を実装しようと思うと、JavaのAPI、POIのAPI、Excelの仕様をそれぞれ一定程度深く理解する必要があり、簡単ではありません。また、単に開発工数だけでなく、数十列×数千行のシートをあるシートを10秒以内で出力したいといった性能面での要求もありました。
また、出力する帳票のほとんどが一覧形式とは言え、対象となるExcel帳票は100種類以上もあり、1つ1つを個別に開発していたのではとてもスケジュールに間に合わないため、効率的な開発手段が必要でした。
各機能の開発者が意識すべきことを減らせるようなフレームワークを独自に開発することも視野に、このような課題を解決できる製品を探していたところ、Docurainに目が止まりました。
Docurainの最大の魅力はシンプルさであると言えます。Excelでテンプレートを作成し、入力データとして単純なJSONを用意し、シンプルなRestAPIで接続するだけで、すぐに様々なExcel帳票を出力することができます。性能面でも我々の要求水準を十分に満たします。
Excelテンプレートはプログラミングの知識が不要で、通常のExcelの知識だけで作成できます。Apache POIを利用した実装であれば発生していたであろう開発コストをばっさりカットして、スピーディーにExcel帳票を開発できています。
Docurainであれば、今後も社内の担当者から継続的に発生するであろう様々なExcel帳票ニーズへスピーディーに応えられることが期待できるので、初期の開発コストだけではなく、運用保守コストの面でも優れた選択肢と言えます。
Excel帳票を開発する際に考えるべきことが必要最低限にまで絞られていることで、帳票の検討に現場が積極的に参画できる可能性があると思います。
従来の帳票開発であれば、帳票レイアウトの変更が発生する場合、情報システム部門に依頼をし、調整するフローになります。
一方でDocurainであれば、場合によってはExcelテンプレートを変更するだけで対応が終わります。Excelマクロが組めるスキルがあれば、さらに凝った帳票も作れるようになります。
これは業務システムを情報システム部門ではなく、現場主導で進めていく考え方に繋がると言えますし、いわゆるエンドユーザーコンピューティングを推進しようとするときには、いい武器になると言えるでしょう。