東京海上グループの一員として全国労働者共済生活協同組合連合会(以下「こくみん共済 coop 」)のシステム開発や損害調査事務を手掛ける共同事務調査サービス株式会社は、共済契約者の利便性向上と、社内のシステム開発業務の効率化を目指して、帳票開発クラウドサービス「Docurain」を導入。契約者の帳票記入の負担を減らすとともに、移行コストを約3分の1まで減らすことに成功している。
共同事務調査サービス株式会社
東京海上グループの共同事務調査サービス、
Docurainで帳票システムの導入コストを約70%圧縮
共同事務調査サービス株式会社
東京海上日動とこくみん共済 coop の共同出資会社として2022年に設立。こくみん共済 coop が再構築を進める新しい業務プロセスを支える共済金支払システムの開発と、損害調査事務を担っている。共済と保険の連携という考えのもと、損害調査業務におけるテクノロジーの活用検討など、業務プロセスの見直しを進め、契約者・組合員の利便性や業務品質、業務効率の向上を目指す。
共同事務調査サービス株式会社 取締役 和田篤 様
導入の背景
帳票の顧客利便性向上と開発効率化をいかに両立させるか?
東京海上日動とこくみん共済 coop の共同出資により2022年に設立された共同事務調査サービス株式会社(以下、共同事務調査サービス)は、共済金支払システムの開発と損害調査事務を手掛ける企業。両者は共済と保険という異なる業態の垣根を越えた連携によって、それぞれが単独で取り組む以上の効果を得られるのではないかという考えから業務提携を行い、具体的な取り組みを進めるために共同出資会社として同社を設立した。
こくみん共済 coop が再構築を進める新しい業務プロセスを支える共済金支払システム(以下、新システム)を開発し機能を提供することは共同事務調査サービスの主要業務である。同社で2025年4月から取締役を務める和田篤氏は、2024年当時、新システム開発の責任者として要件定義からユーザーテスト、マニュアル作成まで、幅広い開発業務を管掌していた。同社がシステム開発を通じて顧客に提供する価値について、和田氏は次のように説明する。
「弊社は現在、損害調査業務に関わるテクノロジーの活用検討や、業務プロセスの見直しを積極的に進めています。これによって共済の契約者や組合員の皆様に、より高い利便性とサービス品質を提供するとともに、社内の業務効率の向上にも寄与していきたいと考えています。」(和田氏)
なお同社が開発するシステムにおいて、極めて大きな役割を果たしているのが「帳票」の機能だ。共済金の支払いプロセスでは、契約者から必要書類を提出してもらう場面が数多く存在する。その際、システムにあらかじめ登録されている顧客情報を活用して、事前に必要な情報を印字した帳票を送付することで、顧客の記入負担を軽減したいという強いニーズがある。新システムで実現するためには膨大なコストがかかることが大きな課題であった。
導入の経緯
スピード感とフレキシビリティを重視して「Docurain」を採用
共同事務調査サービスでは、既存帳票の移行にかかるコスト問題を解決するためのソリューションを模索していたものの、突破口を見いだせずにいた。しかし、2023年秋に帳票開発クラウドサービス「Docurain」と出会ったことが、大きな転機となった。
Docurainは、ExcelやWordをベースにした直感的な操作で帳票のテンプレートを作成でき、かつ低コスト・短期間で帳票システムを構築できるクラウドサービス。Docurainの開発・提供元であるDocurain株式会社(以下、Docurain社)から提案を受けた共同事務調査サービスは、早速同社の提案を従来のやり方と比較検討してみた。その結果、開発スケジュール、コスト、導入後の保守・運用・メンテナンスにかかる工数や時間などの観点で、Docurainが最も優れていると判断したという。
「帳票の更新作業を行う際のスピード感やフレキシブルさ、さらにはコスト感の点においても、従来の帳票システムと比べて大きなアドバンテージがあるという判断でした。また製品自体の魅力はもちろんのこと、Docurain社の担当者の方から積極的に提案をいただき、互いに思いを共有できたことから、パートナーとして長期的な関係を築いていけるという考えです。」(和田氏)
こうしてDocurainの正式導入を決定した共同事務調査サービスは、早速導入プロジェクトを立ち上げ、システムに実装する帳票機能の開発に着手した。同社のシステムはパブリッククラウドのインフラ上に構築されているため、Docurainも同じクラウド環境上で稼働する仮想サーバに導入し、システム本体との連携を図る構成を取ることにした。
なおDocurain社からはDocurainの製品そのものだけでなく、製品の稼働環境を自動的に構築するためのTerraformスクリプトもあわせて提供されたため、導入作業を極めてスムーズに進めることができたという。一般的に帳票システムはレガシーな技術だと見られがちだが、このようにクラウドネイティブ環境へスムーズに対応できる点は、他の帳票ミドルウェアにはないDocurainの先進性として和田氏も高く評価する。
さらには導入プロジェクトの進行においても、Docurain社との協業は極めてスムーズに運んだという。
「通常であれば、初めて協業するベンダーの場合、弊社のやり方に慣れていただくまでに、ある程度のコミュニケーションエラーがどうしても発生していたのですが、今回のDocurain社とのプロジェクトに関してはそういったことが一切なく、帳票の専門企業として既存資料からの仕様キャッチアップも含め、非常にスムーズにプロジェクトを進めることができました。」(和田氏)
こうしてDocurain社と二人三脚で進めたDocurain導入プロジェクトは、最終的には120種類という多数の帳票を移行する大規模プロジェクトになったが、Docurainのシンプルかつ高度な開発機能をフル活用した結果、トラブルもなく当初の計画通り正式運用開始にこぎつけることができた。
導入効果
帳票の作成・修正に要する工数とコストを3分の1まで削減
Docurainを導入したことで、既存システムの帳票を全て新システムへ移行することができた。また帳票の新規作成や、既存帳票の内容を修正するための開発作業に要する工数も、Docurainの導入によって大幅に削減されたという。
「従来は外部ベンダーに帳票変更を依頼するたびに多大な時間とコストがかかっていましたが、Docurainを導入し、かつ帳票テンプレートの作成・修正作業をDocurain社に依頼するようになってからは、工数とコストが約3分の1程度まで削減できました。」(和田氏)
さらに、かつては帳票の修正を行うたびに要件定義やテストの細かな作業が発生していたが、Docurain導入後はこれらの作業を極めて短時間のうちに終えられるようになり、共同事務調査サービスの運用現場にかかる負荷もかなり軽減されたという。こうした運用コストの削減効果も加味すると、「今回Docurain社にご支援いただいたことで、トータルでかなりコスト圧縮が実現できたと思っています。」と和田氏はそのコストパフォーマンスの高さを評価する。
加えて同氏は、Docurain社のサポート体制の充実ぶりについても次のように高く評価する。
「Docurain社の方々は、常により深く弊社の業務を理解してより良いソリューションを提案しようと努めてくれました。このように弊社に密接に寄り添って伴走していただけたことは、本当にありがたかったです。単純なビジネス上の付き合いだけではなく、真のパートナーとして伴走してくれる姿勢が、他の製品ベンダーとは大きく違うところだと感じています。」(和田氏)
今後の展望
帳票の多様化やパーソナライズのニーズにDocurainで応えていく
Docurainを新たに導入したことによって、帳票を通じた顧客サービスの向上と、帳票システムの開発生産性の大幅アップを同時に実現した共同事務調査サービスだが、今後もDocurainの機能をより有効活用することで帳票システムのさらなる拡充を計画しているという。
「これからますます多様化していくであろうお客様のニーズに迅速にお応えしていくためには、ニーズに合わせて帳票をよりきめ細かくパーソナライズしていく必要があると考えています。そのために今後は、帳票の種類やデータ項目の数がどんどん増えてくることが予想されます。この動きにいかに柔軟かつスピーディーに対応できるかが弊社の競争力を大きく左右することになると考えていますが、その点、Docurainは帳票サービスを通じた競争力強化に大いに貢献してくれるソリューションだと考えています。」(和田氏)
さらに現在Docurain社に委託している帳票の作成・修正作業を、将来的に内製化することも視野に入れているという。和田氏は「ユーザー側で、今流行りのローコード/ノーコードツールを使って帳票を簡単にカスタマイズできるソリューションがDocurain社から提供されると、より利用の幅が広がると考えています。」と、今後のDocurainの機能進化への期待を述べる。
ちなみに世の中一般的には、今後のさらなるデジタル化の進展によって、帳票を扱う機会は減っていく一方だという見方もあるが、和田氏は「今後も帳票システムが果たす役割は大きい。」と見解を述べる。
「社会の大きな流れは確かにペーパーレスの方向に向いていますし、帳票の印刷は確実に減っていくと考えていますが、その一方でリッチな情報を分かりやすく1つの画面にまとめて可視性を高める帳票という概念自体は、デジタル時代においても確実に必要とされるでしょう。そうした意味でも、Docurain社が果たす今後の役割には大いに期待しています。」(和田氏)